で、今に至る。
クジャを切りたいのは山々なのだが、眠い状態でクジャ様の唇…下睫毛…あと、二重?はたぶん、見るだけでこっちの目が霞んでくる。
そもそも、今気付いたのだが、カラーなのだよな。今回はカラーだ。
真ん中に金具を挿し、薔薇を挿し、布を挿し、という最悪な行程がある。
しかも細いクジャのこと、ことさらくっついて離れまいとするだろう黒と薄紙の間の空間を、無理矢理に、ただし、決して傷つけないように優しく慎重にこじあけて。
…ということは今回、顔切った後は、クジャの周りで止めてから、途中で下を開かせて突っ込んで抜いて突っ込んで抜いての繰り返しになるんだよな。…顔歪むよな、これ。繊細だもんな。ほんの少し手元が狂ったらアウトというあの繊細な表情の間にねじ込んで抜き差しは絶対やばいだろ。髪がやたらはねているおかげで、薄紙はがしてやるわけにはいかないし…先に羽を浮かせて首座らせて、などとやったらそれこそ墓穴か。腰のラインが文字通り細いから、よじって逃げられてしまうだろう。寸分狂わず押さえつけないと金具は挿せない。…あれ?そもそも抜くときどうするんだ?なんとか表情ゆがめずに中こじ開けて金具突っ込んだとしても、その場で固定だろう。抜くときはまた外して…。なんだこの物理的障害は。自分も、まあ、そりゃあ、疲れるだろうが、クジャの負担が確実に臨界点越える、つまり、切れる。
…しかし切れたら終わりなんだよな、これは?
どうすればいいのだ?
更に、抜いて出したぶんはすべて回収必須。ひとかけらでも落としたら最早デスペナルティを越えてアルテマウェポンが近づく。あの細さと量でこれはない。まじめにない。
顔から切らないほうがいいのか?くっ、しかし、あの唇や下睫毛の細かさは…。ぅああああああああああああああ。
今までは何故か楽観視していたが、よく考えたら、これは、かなりやばい状況ではないのか…?
と、ぼんやりとレーシングペーパー下絵を見つめていても仕方がないな。まあ、必死でやれば、たぶん、どうにかなるだろう…。
そろそろ就寝。