楽しかった。
今日、いや昨日はディシディアの対戦オフ会であった。何十人ものひとびとがひとつところに集い、カラオケの大部屋でディシディアをプレイした。
CPU戦とはもちろん違う、かといってオン対戦とも違う、目の前に対戦相手がいるという独特の空気と、その場のみなが同じひとつのものを愛しているという一体感がいやがおうにも気分を高揚させてくれた。おかげで普段やらないような無茶な攻めや、ネタの域に達するような戦いもいろいろやった。その都度くそぉぉぉっだのウボァーだのしていたが、本当に楽しかった。
やはり自分の最大の欠点は集中力のないことだ。幾度も戦闘を重ねていると、ふと、集中が切れる。敵の攻撃への反応が遅れ、相手の動きを読むことを忘れ、思考が鈍り、冷静な判断ができなくなる。もっとも手軽に扱えるクジャ以外、まともに戦わせることさえできなくなる。実際、勝率はもちろんのこと、アルティミシアやケフカの使用率が、自分でも呆れるほどに落ちていったものだ。もう少し……なんとか、できるものだろうか。
敵のジェネシスロックにすぐさま反応し、急接近からのバーストエナジーで相討ちを試みるうちのクジャは、変わっているらしいということがわかった。
これから暇な時にリプレイを観賞して研究し、どんどん強くなりたいと思う。
……しかしなによりも……印象に残ったのは、二次会であった。
とにかく、その……なんだ……
このように、本当にFFを愛するかたたちと心ゆくまで語り合えるということは初めての体験であって――元来、話をするより文字を打つほうが得意な性分であるのだ、自分は――うまく話ができないというか、場の雰囲気を読めないというか、……こういう会話をしたことがないからなにがセーフでなにがアウトなのか全く知識がなかった。ほんとうにほんとうに反省している。
うっかり自然に皇帝を「マティちゃん」呼びしたり(切り絵の時、「さ、お化粧の時間だぞ、マティちゃん♪」などとかなり気持ち悪い独り言をする癖がそのまま出やがったらしい)、クジャに関してエラいこと言い放ったり(
……六文字……ッ!!!)と、散々醜態をさらし、いじられ属性を定着させて、そうして、帰って来た。自分は……。でも……
自分は……自分は、でも、悪くない。悪いのはあまりにも美しく気持ちいいクジャと、あまりにも魅力的な皇帝だ。
そう、心の中で言い聞かせることで精神の均衡を保ちながらなんとか家に帰りつき、自室のドアを開けて目に飛び込んできたのは、自分のベッドをクジャと皇帝が仲良く占領している様子だった。
そうだった。最初に切ったえくたんはほとんど乾いたためにクリスタルパック詰めにし、つい最近切ったセフィロスはまだ洗濯バサミに干してある。その間に切ったクジャと皇帝の行き場に迷い、どうしようもなくなってベッドの上に放置していた。
いろいろと衝撃的で……一瞬意識が飛んだ。
……こういうことは、たまにある。自分にとって気絶することは珍しいがあり得ないことではない。それでなくてもここ数日、カオス子のために睡眠を削って作業を続けていたのだし、疲労は極限に達していた。
そのままうつ伏せに――クジャと皇帝が「寝て」いる――ベッドの上に倒れこみそうになって、気がついた時にはベッドの脇、冷たいフローリングの床に仰向けに横たわっていた。
まず、大切な子たちの上にダイブせずにすんだらしいことに安堵し、それから、そういう動作を無意識のうちに行うようになった自分の深層心理に気付いて絶望した。
ちなみにフローリングにはセフィロスの羽が散らばっていたので、どうにか身を起こした自分はまず、背中にべったりくついたあの黒い羽をガムテープで除去する作業を強要された。
……あんな、へたれ小物臭全開のきんぴかやら、どう見ても残念な趣味・嗜好・言動のナルシストやらを……
……こ、こころから……たいせつに……思ってしまう自分が、解せないというか、屈辱というか、恥ずかしいというか……
どうしてあんなやつらのことを、という思いは、正直なところ、かなりある。あまり、素直になりたくはない。
……が、まあ、こんな人生も……
悪くはない、のだろう。
愛し子に振り回され支えられ、独り相撲を繰り返して勝手にバテて、それでも自分はカオス子がいるから幸せになれるのだ。
オフ会のおかげで、さらに、ディシディアのことを好きになれた。
戦ってくださったみなさま、お話をしてくださったみなさま、本当にありがとうございました。
さあ、今日はもう寝るぞ。
明日は遅めに起きよう。いい加減、休息が必要だ。それでセフィロスを何枚か切り足したら、エクスデスの追加をおこなおう。
ほかにも栞の作成やB5クジャ・皇帝のコピーなど、やるべきことは山ほどあるが、明日はちょっとのんびりして身体を休めるのだ。
……で、そしたら明後日からは、また、愛すべきばかどものために、馬車馬のごとく働いてやる。
休むのも戦いのうち。
おやすみなさい!