昨日は所要があって外出できなくなったので、今日、20枚の万札を握りしめて買い物に行った。
今日だけでいったいいくら使ったのか。金額が大きすぎて自分でもよくわからない。
実は、リビングで使っている古ぼけたノートパソコンの調子が、ちかごろ、すこぶる悪かった。主に母が、暇つぶしに、インターネットで動画を見たり、興味のあるアーティストについて調べたりと活用しているのだが、インターネットをするたび1分待たせるといった有り様で、どうにも使い勝手がまずかった。
パソコンを使うのはあまり機械に強くない母だから、たとえば、「タブを複数使って少しでも待ち時間短縮!」とか、そういう小技みたいなものも役には立たない。
そもそもそのパソコン自体が既に化石のような代物であった。ちょうど、誕生日の近い母へのいい贈り物にもなろうということで、この際、買い換えてしまおうと決まったのだ。
で、父からおもむろに封筒に入った現金20万を渡され、ひとり池袋である。
小学校の時の「しゃかいかけんがく」では「ひゃくまんえん」に触れたことがあったような気がするが、自分の日常生活の中では、こんな大金を持って歩くことなんて、もちろん生まれて初めてだった。
結局、dynabookの新作を選んだ。
性能は悪くなく、音質も良い。なによりもブルーレイが視聴可能であり、その映像をHDMIケーブルでリビングのテレビに接続可能。その割に安価というすばらしい品だった。
安く抑える努力をしたとはいっても、こんな大きい金額の買い物を、自分ひとりでするのは初めてだった。しかもこれ、親の金である。嫌に緊張した。
いや、しかし、難しいことは必要ない。ただ、母が気楽に楽しめるマシンであればいいのだ。
これで我が家でも、ブルーレイディスクが見られるようになったというわけだ!マイケルジャクソンの「THIS IS IT」のブルーレイ版を買ったら、きっと、母は喜んでくれるだろう。
……む、なんだ?既にPS3があるじゃないか、だと?あれは既に、我が居場所得たりと言った顔で、自分の部屋に鎮座してしまっている。ブルーレイを見るためだけにあのでかい機械をリビングに持ってくるのは、ちょっと面倒だし、そもそもあれがリビングにあったところで、母には使いこなせない。
更に有線マウスなど、親から頼まれていた周辺機器を揃え、一息ついてから購入したノートパソコンを抱えてゲーム売り場へ向かう。
この大きな買い物は、自分に軽い疲労をもたらしたが、ゲーム売り場についた瞬間、自分でもすぐそれとわかるくらい元気になってちょっと引いた。
というわけで、今年の母への誕生日プレゼントは、今更感はあるが、「レイトン教授と不思議な町」だ!ケロロDSと散々迷った末の決断だ。楽しんでくれるといいが。
もちろん、ついでに、自分の買い物もやっちゃった。
先日お客様のコメントでおすすめいただいた――その節は、ありがとうございました――、4機種に対応可能なD端子ケーブルと、ごーたんを持ち運ぶのに適したケース。
このあと、新しく我が家にやってきたパソコンの設定や接続などに関して、自分がひとりでがんばることになっているとはいえ、それくらいなら買ってもいいと言われたときはありがたかった。まあ、「D端子ってなに?」の説明は結局曖昧で終わったのだが。
これで朧村正を、より美麗な映像で堪能できるぜ!今まで黄色端子だったからな!キャッホォォォ!
さて、最後に、マールーシャピンク(正式名称:ブロッサムピンク)の話をしようか。
もちろん今日、自分はマールーシャピンクの実物を見てきた。いかにもかわいらしい、春らしいピンクであった。ネットでの感想を見ると、「思っていた色と違う」と言ったような意見がちらほら見られたが、少なくとも自分は、目の前のPSPのピンク色に、そこはかとない魅力を感じたのである。
これが一目ぼれ、いや、恋というものなのだろうか――
「エルミナージュ専用PSP」として、ぜひともこれを買いたい、家に連れ帰りたいという欲求と、しばし格闘する。
結論から言おう。自分はマールーシャピンクを買うことはなく、その場を後にした。
理性が欲望に打ち勝ったのだろうか?
否、そんな殊勝な理由ではなかった。
今自分で読み返すだけでもかなりアレなのだが、自戒の意味も込めて、自分の頭の中で繰り広げられた大戦争をここに記しておこうと思う。
理性の声「だから、もう、PSP-3000は持ってるだろうが!CCFF7同梱版(2000)、ディシディア同梱版(3000)だって未開封だ」
悪魔の声「色が好みだし、エルミナージュ2専用機というものが欲しいのさ。あれは起動のロードだけ長いからね。エルミナージュ用のPSP、ディシディアその他UMD用のPSP、そしてアーカイブス用のgo。これで完璧だよ」
「いくらなんだってそりゃねぇよ。だいたい、go買ったときを思い出してみろ、『3000を二つ持ち運ぶのは骨』と言っただろうが。3台も持ち運ぶのか?この先、好きなゲームが出るたんび、専用機っつって本体ごと増やすなんて馬鹿をやる気じゃぁねぇだろ?」
「……確かに……好きなゲームが出たからといって、本体に金をつぎ込むことは違うかな……」
「そういうこった。だからな、ここは、我慢しとけや。欲しいのはわかるけどよ。いいもん見られただろ?それでしまいにしようや」
「うん、それじゃあ、エルミ2の2本目を買って帰ろう」
「……へ?」
「好きなゲームが出たら、それを買う。ディシディアのように大きい会社が出しているならともかく、エルミは星魚だよ?信者のお布施と言うのは重要だ」
「待てや、おい!それこそ、まさに無駄って――」
「だって、ディシディアは6本も買ったのにエルミナージュ2は1本しか買わないというのも、おかしな話だと思わないかい?両方とも、同じくらい愛しているソフトなのに」
「ディシディアの数が異常なんだよ、大ボケかましてんな!エルミ2だって、もしかDL版が出たら、それ買ってgoに突っ込むことは確定してんだろ。今はやめとけや!」
「DL販売は行われないかもしれない。もしかしたら今ここで買う1本の売り上げのおかげで、DL販売が開始されるかもしれない」
「落ち着け、ってんだよ。ってか、DL販売の仕組みとか知ってんのか?売上って関係あんのか?」
「生憎、全く知らないよ。だけど、欲しいものは欲しい。ほんの少しでも星魚の力になれるなら行動したい。布教用にもなる。エルミ2はマールーシャピンクよりは安い。なにも悩むことはないだろう?」
「……おいおいおい……」
やっぱり、多額の現金持ち歩くってのはだめだな。直前に、10万超える、でかい買い物したのもいけなかった。もっとも、その残った「多額の現金」は、自分の金ですらないのだが、変に気が大きくなるというか、「よし、自分も買おう!」って気になるというか――
結局我慢できなくて、
2本目のエルミナージュ2買ってきた。我ながら斜め上の展開だった。人生何が起きるかわからんね。
さて、まず誰に貸してやろうか。せっかくだから自分は、この神ゲーを、どんどん周囲に広めていってやるぜ!
がんばれ、星魚!!